記事(一部抜粋):1999年9月掲載

ベルダレポート

政・官が推し進める製造業「1業種1社体制」

産業再生法は有事ムードに乗った「日の丸産業」強化策

経団連と通産省の合作になる、と伝えられる企業大再編構想とはいかなるものか。鉄鋼、自動車、造船はじめ重厚長大産業を「一業種一社体制」に組み替え、巨大な”日の丸企業”群づくりを目論んでいるといわれる。業界全体を統合して厳格に一社にまとめることには無理があるのを承知のうえで、刺激的なスローガンでもって、産業新体制の確立に向かおうとしている。
 そのコンセプトは、市場経済を前提に置くが、企業の自由にすべてをまかせるのではなくて、重要な戦略産業の中枢管理機能を集約して、間接的に国家管理に帰属させるという一種の有事体制をとる。各業界のトップ企業を、よりビッグで、より堅固な「日の丸企業」に仕立て上げ、業界全体の家父長型リーダーの役割を担わせる。
 現に8月17日、新日本製鉄、住友金属工業、川崎製鉄の3社はシームレスパイプの製販両面での事業統合を視野に入れた国内シュア80%海外シェア20%の「日本連合」形成に動き出した。

 

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