記事(一部抜粋):1999年7月掲載

ベルダレポート

デフレ突破の奥の手「武器輸出」解禁へ動き出した

 新たな日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)関連法が、この国の安全保障のあり方を根本から変えそうだという問題はよく指摘されている。
 例えば「第二次朝鮮戦争が勃発した場合には、米軍に対し、後方活動に限定するとはいえ実際的な軍事協力を行う」といったように”戦闘行動”になぞらえて語られるケースがほどんどだ。だが、ガイドラインの改定が有事だけではなく平時にも重大な変化を惹起することは、ほとんど報道も論議もなされていない。
 平時の変化とは、ずばり「武器輸出」の解禁である。
 日米間では、新ガイドラインの軍事協力を具体的に保証するために、「ACSA」(物品役務融通協定)も一新された。ところがこの新ACSA、議論かまびすしい新ガイドラインと違って注目度が極めて低い。
 実は新ACSAには、武器部品を物品相互提供の対象品目に含めることが明記されている。
 すなわち、戦艦や潜水艦、強襲揚陸艦などのエンジン部品、戦闘機や爆撃機の計器類、軍用車両のタイヤなどを、日本は米国に輸出することができるのだ。
 権力機構となった金融監督庁の辣腕と傲慢
 金融監督庁が発足して一年が経過した。大蔵官僚による裁量的な金融行政から決別し、事後監督の厳しいチェック機能を持つ役所となるという触れ込みでスタート。しかしどこまで役所としての存在感を持ちうるかはまったくの未知数で、「しょせんは大蔵省の出島」「出向組は本省の顔色をうかがいながら仕事するに違いない」と、その独立性に疑問符がつけられていた。
 しかし誰もが、ここまで”恐怖の役所”になるとは思っていなかったろう。「すべての金融機関が、金融監督庁の顔色をうかがっています。ここが、厳しく査定して決算の見直しを申し渡したら、それだけで破綻の一因となる。金融業界は生殺与奪の権を、監督庁に完全に握られている。つぶされるという意味では、マネー警察の国税庁や、検察・警察の捜査当局より怖い」(第二地銀の役員)

 

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